近年の震災について

 032b747959703e0dd57cea30c5630685_s最近、南海トラフ/東海・東南海・南海、首都直下型地震等について、話題になる事が多くなりました。
今年(2016年)だけでも、熊本地震、鳥取県中部地震と立て続けに震災が発生しています。
震災時活動マニュアル作成に関して、会社ですと総務部門等が中心になって、防災体制を検討立案し確立させ、定期的に防災に対する訓練を実施する事で、来るべき時に備えているケースが通常です。

分譲マンションに於ける震災時対応について

 ところが、分譲マンションは、どうでしょうか。まだまだ防災について認識してはいるが、なかなか防災体制を確立するまでには至っていないケースが多いのではないでしょうか。
 防災体制を確立するには(概略)

  • 近年のマンションに於ける大震災の被害実態を把握する。
  • マンションに於いては大震災に対してどのようにして備えるべきかを検討する。
  • 上記実態を踏まえてマンション震災時活動マニュアル作成を開始する。
  • 定期的に防災訓練を実施し、且つ訓練結果から問題点をあぶり出し検証をおこなう。等

上記の順に準備を進めていくことが一般的です。幸いなことに、防災に関する情報はインターネット上に溢れています。震災時活動マニュアルについても、官公庁が作成したものが多数紹介されていますので、参考にして作成する事もできます。

 マンションの震災時活動マニュアル作成上の注意点としては、

① 会社等の組織が作成する防災体制と異なり、マンションでは、組織体制を構築するにあたり、特定の居住者を対策本部の役職者にすると、不都合が生じる場合があります。その方が不在の場合にも震災は発生します。フレキシブルな組織体制が必要となります。

 ② マンションに於いては、建物が無事である場合、震災発生後引き続きマンション内で、被災生活をおくる事も想定する必要があると思われます。避難所に入れる方は自宅を失った方達が優先されるケースも想定されるからです。ですから、備蓄が必要となります。この備蓄品についても様々な情報を比較検討する事が必要であると思います。比較すると結構違いがあります。(例えば一部のサイトでは、プラベニを備蓄する事を提唱しています。共用部廊下の破損した雑壁を被い隠し、プライバシーを守る事ができるからです。また、バールを用意するにあたり、サイズまで具体的に説明しているサイトもあります。役に立たないサイズのバールを用意しても意味がありませ。)

③ 震災時には、エレベーターが停電で利用できなくなります。高層階の高齢者は階段が利用できません。けが人も階段を利用しての搬送になります。物資の運搬も階段利用になります。両親が帰宅出来ず子供だけの居住者宅も発生します。このような事態に対処しなければなりません。ふだん交流がないとお互い知らない人だらけです。これらの問題も検討する必要があります。

震災時活動マニュアル作成に於いて

 以上、マンションの防災について思う事を一部書き出してみました。マンション内で避難をするには、協力しあえる体制が必要となります。防災は行政任せ、人任せではなかなか進みません。マンション管理組合で、若しくは防災委員会等でマンションの備えについて検討してはいかがでしょうか。マニュアルだけを作成するだけでしたら、参考資料等を利用して作成すれば良いのですが、マンション居住者が合意し実情に合致した仕組みを作ることが大事だと思います。まずはマンション居住者間で話合ってみては如何でしょうか。